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Home » 作品 » 山行記 : 2005/10 室堂・剱岳

[山行記]2005/10 室堂・剱岳


単独。落石事故。

2005年10月6日(木)

上野23:03発JR寝台特急「北陸」に乗車。

2005年10月7日(金)

快晴。早朝、富山へ。富山地鉄の電車、立山開発観光のケーブルカーとバスを乗り継ぎ室堂へ。紅葉は例年よりやや遅くまだ見ごろ。

雷鳥沢キャンプ場を抜けて雷鳥坂を登る。左手に新室堂乗越経由のルートが見える。(雷鳥坂より傾斜が緩そうなので下山に利用するつもりが叶わず。理由は後ほど)別山乗越の剱御前小屋の下に小雪渓(ハマグリ雪)を確認。剱沢小屋の横を抜け、剱沢を横切る。モレーンとナナカマドの紅葉の彼方に五龍岳と鹿島槍ヶ岳。

昼頃に剱山荘到着。トイレは水洗、和式のみ。飲料水は小屋客無料。風呂は9月で終了とのこと。

2005年10月8日(土)

ガスと風雨。剱山荘に停滞。悪天の中を次々と、小屋は宿泊客で一杯に。乾燥室に入り切らない濡れ物が廊下に溢れ水浸し。

2005年10月9日(日)

剱岳山頂・長次郎尾根と立山三山

早朝はややガス、後に快晴。朝食後7時頃に出発。大きなザックは小屋に置く。コース上は人が多い。

下りが辛そうな小さな岩場(結局下ることはなかった。理由は後ほど)を過ぎて一服剱の狭いピーク。後に事件現場となる大岩のクサリ場を通過して前剱へ。上りのコースは頂上を経由する。以降、クサリ場は上りと下りで別コースに。

あまりに有名なカニのタテバイのクサリ場、早月尾根への分岐を横目に、9時頃に剱岳頂上へ。祠の下の源次郎尾根をまたぐ形で休憩。眼下は雲海。遠方に白馬三山(鑓ヶ岳が一番白く見える。白馬岳と間違う人多し)。9時30分に下山開始。カニのヨコバイは足元が見えない1箇所に緊張する人多し。

剱岳山頂より白馬三山

事故は前剱大岩の直下で起きた。午前10時30分から11時の間、と記憶している。

「ラーーーーク!」の声に今下りて来たコースを見上げる。左右にバウンドしながら近付く落石。大きさは20リットルのサブザック程度。ほぼ球形。コースのほぼ中央にいた私は左右どちらに逃げるか迷い、立ち尽くす。

衝突。(目撃証言によると左の腰。痣が一番ひどい)

なぎ倒され、コース上を麺棒のように横向きに転がる。(止まれ!)とひたすら願う。滑落、と言う程のこともなく、身体はすぐに止まった(気がする)。遠くから声をかけられ、倒れたまま手を振って応える。
助け起こされた途端、頭から血がばたばた落ちる。眼と歯は無事。歩ける。吐き気や寒気はない。頭は多分、大丈夫。

たまたま居合わせた岩手県山岳協会の皆様。応急処置と剱山荘までのサポート、ありがとうございます。看護士の方がいらして、下山中はロープやハーネスで確保して頂いて、他にも色々お気遣い、どれほど心強かったか。

人為的な落石。落とした人(中高年男性)は土下座で謝罪している。落とす側でなくて良かった。

一服剱、(傾斜の緩い)くろゆりのコル経由で剱山荘へ。知らせを聞いて剱山荘の従業員の方も迎えに。剱山荘で岩手県山岳協会の皆様と別れる。本当にありがとうございます。

ガスのためヘリコプターが飛ばず、翌日まで剱山荘で待機。不安な一夜。

右の額と目尻の傷と腫れのひどい「お岩さん」顔。恐怖心をあおりそうで、他の客に見せるのをためらう。顔以外にも痣や擦り傷多数。サブザックの外ポケットに入れた手鏡が事故の衝撃で割れる。見るな、との天の声か。内側に入れたデジタルカメラは無事。お陰で写真を公開できる。

2005年10月10日(月・祝)

前日に有峰湖で事故があり、富山県警のヘリは先にそちらに向かう由。午前8時過ぎ、剱山荘ヘリポートに到着したヘリで富山県立中央病院へ。頭・腰その他の骨に異常のないのを確認後、傷の治療。顔は2~3日中にもっと腫れる、と脅される。JR特急「はくたか」と上越新幹線を乗り継ぎ、この日のうちに帰京。

帰宅後、TVで有峰湖の事故のニュース。軽自動車が林道から谷底に転落、ご夫婦がお亡くなりに。私の乗ったヘリはご遺体を回収したはず、道理で機内に土が付いていた。私こそ死んでも不思議でなかった。お二人のご冥福を祈る。

翌日、近所の形成外科へ。傷はいじらず様子見とのこと。以後、脅されたほど腫れもせず回復の一途。



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