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単独。
新宿23:00発(集合22:30)松本電鉄会員制バス「さわやか信州号」上高地ルートに乗車。
早朝、上高地バスターミナルへ。小雨の中、涸沢を目指す。途中、横尾に着く頃には雨も上がる。涸沢の紅葉はピークをやや過ぎたとは言え、改築間もない涸沢小屋は布団1枚に3人が寝る。人の熱気で暑く、廊下で寝る人も多数。大人気のソフトクリームの売上げに貢献する。
早朝、快晴の下、小屋脇の樹林帯を抜け、ザイテングラードへ向う。取付までの単調な登りよりも、後の岩場を楽に感じたのは気のせいか。岩に手を使ううち、家で切り忘れた爪が折れ、奥穂高岳山荘のテラスで涸沢の紅葉を眺めながらの爪切り。その間、ザイテングラードで1人滑落したとの知らせに、飛ぶように駆け下りる救助隊のカッコ良さ。彼らの仕事を増やすまい。
奥穂高岳の手前、ジャンダルムの存在感に圧倒される。頂上に目を凝らすと、手を腰に仁王立ちする人影。奥穂高岳山頂、特に展望盤と祠は混雑を極める。記念撮影のために「奥穂高岳 3190m」と書かれた木の板を奪い合う様子は、さながら「現代日本の奇祭」と言ったところ。単独男性がインスタントラーメンを作りながら、そこに卵を入れるこだわりを熱弁する。はるか彼方に白馬岳。視力矯正手術後の目の調子は良い。
紀美子平手前ですれ違った御婦人は、昨年10月に今来た道で御主人が滑落死、これから事故現場に行くとのこと。互いに「お気をつけて」を言い合い、別れる。晴れ渡る青空にはヘリコプターがひっきりなしに飛ぶ。改めて気を引き締める。
紀美子平では、男子学生2人がイワヒバリを見て「ライチョウの雛だ」「違う、小さ過ぎ」「登山客から餌もらってこれからブクブク太るんだ」と笑わす。休憩後、前穂高岳は登らず岳沢へ。例により下りで足をやられ、岳沢ヒュッテに着いたのは夕食時。疲れから食欲がなく、夕食も頼まず和室の相部屋に潜り込む。普段は個室として使う部屋を、客の多さに相部屋にしたそうで、蚕棚は確かに満員。罪悪感を感じつつ、1人1枚の布団に感謝する。
同室の御婦人曰く「娘が食堂で話好きのお爺さんに捕まってる。適当にあしらえば良いものをまともに相手するから…良い勉強だと思って放っておく」山女(やまおんな)はこうして強くなる。
翌日、筋肉痛に鞭打って上高地へ下山、「上高地温泉ホテル」の日帰り入浴で汗を流す。15:30発(集合15:00)の「さわやか信州号」でその日のうちに帰京。